その結果、財政赤字が大幅に拡大した。
バラまきの継続は財源面から不可能となった。
高度成長期のように経済全体のパイが急拡大している状況下では、財政によるバラまきもできる。
経済全体に成長力がなくなれば、できなくなる。
バラまきを続ける経済的な余裕は、すでに日本から失われているのである。
KJ内閣(2001~06年)はこの状況に対応せざるをえなくなり、公共事業の削減を行なったのである。
「構造改革」と言われることが多い。
最近の公共事業費の水準は、長期的な趨勢に比べれば、格別低いものではない。
2002年までの異常な財政運営が、元に戻っただけのことである(なお、一般会計予算のなかでの公共事業関係費のウェイトは低下しているが、社会保障関係費と国債費が増えているからである。
だから、公共事業関係費以外の歳出も減少している)。
GDPに対する一般政府固定資本形成の比率を見ても、同様の傾向が確かめられる。
この数字は、1960年代には4%台だったが、1993年からほぼ継続的に6%台になった。
5%台に低下したのは、1997年のことだ。
2004年からは3%台に低下しているが、1950年代にも、この程度下したのは、坐の水準だった。
バラまき財政が問題なのは、財源制約でその実行が難しくなったからだけではない。
より本質的な理由は、その地方だけを考えたとしても、本当の経済活性化策ではないことである。
だから、「公共事業を注入し続けなければ地方が疲弊してしまう」というのでは、困るのである。
公共事業が雇用促進効果を持つといっても、カンフル注射のようなものだ。
それによって地方の経済力が強化されるわけではない。
だから、注射をやめれば元の木阿弥になる。
実際、90年代後半の公共事業増加で、地方の至るところに、クルマがめったに通らない立派な道路ができた。
また、市役所庁舎、公民館、文化センターなどの立派な建物ができた。
その周辺の市街地は、さびれたままだ。
また、バラまきは、再配分であり移転にすぎない。
ほかの地域で納められた税金を当該地方に持ってくるだけのことだ。
ゼロサムゲームであり、経済全体にプラスの効果をもたらすわけではない。
地方の衰退は必然ではない。
やる気の阻害こそが主因さらに、バラまきは、人びとのやる気を失わせる。
農業が保護された結果、兼業の米作農家だけが増加してしまったことは、その典型的な例だ。
駅前商店街がシャッター通りになってしまったのも同じだ。
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